これから初心者として大根栽培に挑戦する方で、マルチシートは必要か悩んでいませんか?
特に春大根の栽培では、適切なタイミングでマルチシートを使うことで生育が安定し、収穫量アップも期待できます。しかし、土作りや種まき時期といった基本に加え、マルチシートのデメリットや、追肥、土寄せの方法を正しく理解しないと、思わぬ大根栽培の失敗に繋がることもあります。
この記事では、大根栽培におけるマルチシートの役割から具体的な使い方、注意点までを網羅的に解説します。

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- マルチシートのメリット・デメリット
- 栽培時期ごとのマルチシートの選び方
- 土作りから収穫までの具体的な手順
- 大根栽培でよくある失敗とその対策
大根栽培でマルチシートを使う基本
- 初心者でも分かる大根栽培のコツ
- 大根栽培にマルチシートは必要か?
- 知っておきたいマルチシートのデメリット
- 春大根の栽培で気を付けるポイント
初心者でも分かる大根栽培のコツ

大根栽培を初めて行う方が成功させるためには、いくつかの基本的なコツを押さえることが大切です。大根は日本の食卓に欠かせない野菜であり、家庭菜園でも人気ですが、意外と奥が深い一面も持っています。最も重要なのは、まっすぐで太い根を育てるための環境を整えることです。
そのための第一歩が、畑の準備にあります。「大根十耕(だいこんじっこう)」という言葉があるように、土を深く、そして丁寧に耕すことが成功の鍵を握ります。土の中に石や固い土の塊、分解されていない堆肥などがあると、根がそれに当たってしまい、二股に分かれる「岐根(きこん)」や曲がりの原因になってしまいます。そのため、種をまく2週間以上前から準備を始め、少なくとも30cm以上の深さまでしっかりと耕しましょう。
また、栽培する季節に合った品種を選ぶことも非常に重要です。大根には春まき用、夏まき用、秋まき用と、それぞれの季節に適した品種があります。初心者の場合は、病害虫の発生が少なく、気候も安定している秋に種をまく「秋まき栽培」が最も育てやすくおすすめです。
まずは栽培しやすい秋まき用の青首大根から挑戦してみるのが良いでしょう。基本的な流れを一度経験することで、他の季節の栽培にも応用できるようになりますよ。
大根栽培にマルチシートは必要か?

結論から言うと、大根栽培においてマルチシートは必須ではありません。マルチシートを使わなくても、立派な大根を育てることは十分に可能です。しかし、マルチシートを利用することで、栽培の手間を減らし、生育環境を安定させる多くのメリットが得られます。
主なメリットとしては、雑草の抑制、土壌水分の保持、地温の調整、そして雨による泥はね防止などが挙げられます。特に雑草の管理は栽培において大きな手間となりますが、マルチシートが光を遮ることで、その発生を大幅に抑えることができます。これにより、除草作業の負担が軽減されるだけでなく、大根が雑草と養分を奪い合うこともなくなります。
栽培する時期によって、推奨されるマルチシートの色が異なります。それぞれの特徴を理解し、目的に合ったものを選びましょう。
種類 | 主な効果 | 注意点 |
---|---|---|
黒マルチ | 保温効果、雑草防止効果が高い。 | 夏場は地温が上がりすぎることがある。 |
透明マルチ | 地温上昇効果が最も高い。 | 光を通すため雑草抑制効果はない。 |
シルバーマルチ | 地温上昇を抑え、アブラムシなどの害虫を忌避する効果がある。 | 保温効果は黒や透明に劣る。 |
白黒ダブルマルチ | 地温上昇を最も抑える効果があり、夏場の栽培に適している。 | 価格が他のマルチに比べて高価な傾向がある。 |
ポイント
特に寒い時期の春まき栽培や、害虫の飛来が気になる夏まき栽培では、マルチシートの利用が成功率を大きく左右します。自身の栽培環境や目的に合わせて、導入を検討するのがおすすめです。
知っておきたいマルチシートのデメリット

多くのメリットがあるマルチシートですが、一方でいくつかのデメリットや注意点も存在します。これらを理解せずに使用すると、かえって生育に悪影響を及ぼす可能性があるため、事前に把握しておくことが重要です。
一つ目のデメリットは、追肥や土寄せがしにくくなることです。マルチシートが土の表面を覆っているため、株元に直接肥料をまいたり、土を寄せたりする作業が難しくなります。追肥を行う際は、マルチシートの穴から丁寧に施すか、マルチの脇を少しめくって施肥するなど、ひと手間が必要になります。
二つ目は、地温が過度に上昇するリスクです。特に夏場の黒マルチや透明マルチは、太陽光を吸収して土の温度を必要以上に高めてしまうことがあります。大根の生育適温は17~20℃と比較的冷涼な気候を好むため、高温は生育障害を引き起こす原因となります。夏場に栽培する場合は、地温上昇を抑えるシルバーマルチや白黒ダブルマルチを選ぶなどの対策が求められます。
マルチシートを剥がす際に、土が固まってしまっていることがあります。また、使用後のマルチシートは適切に処分する必要があり、環境負荷の観点も考慮しなければなりません。これらの手間やコストもデメリットの一つと言えるでしょう。
春大根の栽培で気を付けるポイント

春に種をまいて初夏に収穫する「春大根」の栽培は、秋まきに比べて少し難易度が上がります。その最大の理由が、「トウ立ち」のリスクです。トウ立ちとは、根が十分に太る前に花を咲かせるための茎(花茎)が伸びてしまう現象を指します。
大根は種が発芽した直後から一定期間、低温にさらされると、子孫を残そうとして花芽を作ります。その後、日が長くなる春の気候条件で、花茎が一気に伸びてしまうのです。トウ立ちすると、栄養が花や茎に取られてしまい、根の肥大が止まってしまいます。収穫しても、根が硬くなったり、中に空洞(す)が入ったりして食味が著しく落ちてしまいます。
豆知識:脱春化(だつしゅんか)
夜間に低温にさらされても、日中の温度が20℃以上になる時間が4~6時間程度あると、花芽を作ろうとする働きが打ち消されることがあります。これを「脱春化」と呼びます。
このトウ立ちを防ぐためには、以下の3つのポイントが重要です。
1. 晩抽性(ばんちゅうせい)品種を選ぶ
必ず「春まき用」や「晩抽性」と記載のある、トウ立ちしにくい性質を持つ品種を選んでください。秋まき用の品種を春にまくと、高確率でトウ立ちしてしまいます。
2. 保温対策を徹底する
種まきの時期がまだ寒い場合は、マルチシートやビニールトンネル、不織布のべたがけなどを活用して地温を確保し、苗を寒さから守ることが不可欠です。これにより、苗が低温に直接さらされるのを防ぎ、トウ立ちのリスクを軽減できます。
3. 種まきのタイミングを適切にする
寒さが厳しい時期を避けて、地域の気候に合わせて無理のないタイミングで種をまくことが大切です。一般的には桜(ソメイヨシノ)の開花時期が、トンネルなしで栽培を始められる目安とされています。
大根栽培とマルチシートの実践方法
- 美味しい大根を育てる土作りの基本
- 最適な種まき時期の見極め方
- マルチシートを張る絶好のタイミング
- マルチシート使用時の土寄せは不要?
- マルチシート栽培における追肥のコツ
- よくある大根栽培の失敗と対策
- まとめ:大根栽培とマルチシートの活用
美味しい大根を育てる土作りの基本

前述の通り、大根栽培の成否は土作りで8割決まると言っても過言ではありません。まっすぐで美しい大根を育てるためには、根がストレスなく伸びていける、ふかふかで水はけの良い土を用意することが最も重要です。
具体的な手順は以下の通りです。
- 2週間以上前:土壌酸度の調整と深耕
まず、苦土石灰を1平方メートルあたり100~150g(2~3握り)ほど畑全体にまき、土壌の酸度を調整します。その後、スコップや耕うん機を使って、深さ30~35cmを目安にしっかりと深く耕します。このとき、土の中にある石や雑草の根、土の塊などを丁寧に取り除いておきましょう。 - 1週間前:元肥の施用
完熟堆肥を1平方メートルあたり約2kg、化成肥料(N:P:K=8:8:8など)を150gほどまき、再び深く耕して土と肥料をよく混ぜ合わせます。このとき、未熟な堆肥を使用すると、根が傷んだり岐根の原因になったりするため、必ず完熟したものを使用してください。
肥料が土の中で塊になっていると、それが障害物となり根が又分かれする原因になります。肥料を施した後は、土と均一に混ざるよう、念入りに耕しましょう。
最適な種まき時期の見極め方

大根の種まき時期は、どの季節に収穫したいかによって大きく異なります。栽培する季節と品種の特性を合わせることが、栽培を成功させるための重要な要素です。
秋まき栽培(8月下旬~10月)
最も栽培しやすく、初心者におすすめの時期です。病害虫の活動が少なくなり、涼しい気候で大根がじっくりと育つため、品質の良いものが収穫できます。収穫は10月下旬から1月頃になります。
春まき栽培(3月~4月)
トウ立ちのリスクがあるため、晩抽性品種を選び、トンネルなどで保温しながら育てる必要があります。収穫は5月から6月頃です。収穫が梅雨時期にかかると、病気が発生しやすくなるため、早めの収穫を心がけましょう。
夏まき栽培(7月~8月)
高温や乾燥、害虫の多発など、栽培条件が厳しい時期です。暑さに強い品種を選び、防虫ネットやシルバーマルチなどを活用して対策を行う必要があります。収穫は9月から10月頃になります。
種の袋には、その品種に適した種まき時期や栽培地域が詳しく記載されています。必ず裏面の説明をよく読み、自分の住んでいる地域の気候に合わせて適切な時期に種をまくようにしてください
マルチシートを張る絶好のタイミング

マルチシートを張るタイミングは、元肥を施して畝を立てた後、種をまく直前が基本です。より正確に言えば、種をまく1週間ほど前に張っておくと、さらに良い効果が期待できます。
事前に張っておくことで、太陽の熱で地温を上昇させることができます。特に気温が低い春先の栽培では、あらかじめ地温を確保しておくことで、発芽がスムーズになり、初期生育を促進する効果があります。また、畝の水分を適度に保つ役割も果たします。
畝を立てて表面を平らにならした後、マルチシートを畝全体に広げ、風で飛ばされないようにシートの端を土でしっかりと埋めて固定します。このとき、シートが畝の表面にぴったりと密着し、たるみがないように張るのがコツです。シートが浮いていると、風でバタついて苗を傷めたり、保温効果が薄れたりする原因となります。
マルチシート使用時の土寄せは不要?

通常、大根栽培では間引きの後などに、株が倒れないように株元に土を寄せる「土寄せ」という作業を行います。土寄せには、株を安定させる以外にも、大根の首の部分が光に当たって緑色になるのを防ぐ役割があります。
では、マルチシートを使っている場合はどうでしょうか。結論としては、マルチシートを使っている場合、積極的な土寄せは基本的に不要です。マルチシート自体が株元をある程度固定し、風などによる株のぐらつきを抑えてくれるためです。
しかし、間引き後などに株が不安定な様子であれば、マルチの穴から指で軽く土を寄せてあげるとより安定します。また、生育が進んで大根が地上にせり上がってきた際に、緑化を防ぎたい場合は、穴から土を少し足してあげると良いでしょう。ただし、無理に土を詰め込むと、根を傷める可能性があるので注意が必要です。
最近主流の青首大根は、首の部分が緑色になるのが特徴の品種です。そのため、緑化をそれほど気にする必要はありません。株が安定していれば、無理に土寄せをしなくても大丈夫ですよ。
マルチシート栽培における追肥のコツ

マルチシートを使っている場合の追肥は、シートの穴から行うのが一般的です。タイミングは、2回目と3回目の間引きの後が適期です。
間引きを終えて株が1本になった後、株の周りに化成肥料を1平方メートルあたり50g(1握り程度)ぱらぱらとまきます。その際、肥料が直接大根の葉や茎に触れないように注意しましょう。肥料が株に直接かかると、「肥料やけ」を起こして傷んでしまうことがあります。
肥料をまいた後は、指や細い棒などで軽く土と混ぜ合わせると、肥料の効き目が早くなります。この作業は、株元に酸素を送る「中耕」の効果も兼ねています。ただし、深く耕しすぎると根を傷つけてしまうため、あくまで表面を軽く混ぜる程度に留めてください。
大根は生育後半になると、根が地中深くまで伸びて養分を吸収します。そのため、肥料の与えすぎは葉ばかりが茂る「葉勝ち(はがち)」や、根が割れる「裂根(れっこん)」の原因になることも。追肥は生育の様子を見ながら、控えめに行うのがコツです。
よくある大根栽培の失敗と対策

丹精込めて育てても、収穫してみたら思わぬ姿になっていることがあります。ここでは、大根栽培でよくある失敗例とその原因、対策について解説します。
根が二股に分かれる(岐根・又根)
原因:根の先端(成長点)が、土の中の障害物に当たって傷つくことが主な原因です。障害物には、石、土の塊、分解されていない堆肥、固まった肥料などがあります。
対策:土作りの段階で、深く丁寧に耕し、障害物を徹底的に取り除くことが最も重要です。
根が曲がる
原因:土が硬くて根がまっすぐ下に伸びられない場合や、強風などで株が傾いて不安定な状態で生育した場合に起こります。
対策:深く耕して土を柔らかくしておくこと。また、間引き後に株がぐらつく場合は、軽く土寄せをして安定させましょう。
収穫したら中に空洞ができていた(す入り)
原因:収穫が遅れることが最大の原因です。生育のピークを過ぎた大根が、老化現象として内部の水分を失い、スポンジ状になってしまいます。高温期や肥料の与えすぎも、「す入り」を助長します。
対策:品種ごとの収穫適期を守り、採り遅れに注意します。外側の葉が地面に垂れるように開いてきたら収穫のサインです。
根が太らない
原因:日照不足、肥料不足、水のやりすぎによる根腐れ、連作障害などが考えられます。また、間引きが遅れると、株同士が競合してしまい、根が太るための養分が不足します。
対策:日当たりの良い場所を選び、適期に適切な量の間引きと追肥を行うことが基本です。同じ場所でアブラナ科の野菜を続けて栽培する「連作」は避け、1~2年は間隔をあけましょう。
まとめ:大根栽培とマルチシートの活用
この記事では、大根栽培におけるマルチシートの効果的な使い方と、栽培成功のためのポイントを解説しました。最後に、重要な点をリストで振り返ります。
- 大根栽培の成功は丁寧な土作りから始まる
- 初心者は病害虫の少ない秋まき栽培がおすすめ
- マルチシートは必須ではないが多くのメリットがある
- 春大根の栽培ではトウ立ちしにくい晩抽性品種を選ぶ
- 保温や害虫対策にはマルチシートやトンネルが有効
- マルチの色は季節や目的に応じて選ぶ
- マルチシートのデメリットは追肥の手間や地温の過度な上昇
- 種まきは品種の袋に記載された適期を守る
- マルチシートは畝立て後、種まきの直前に張る
- マルチ使用時の土寄せは基本的に不要
- 追肥は間引き後にマルチの穴から行う
- 肥料の与えすぎは葉勝ちや裂根の原因になる
- 根が二股になる原因は土の中の障害物
- 収穫の遅れは「す入り」の原因になるため適期収穫を心がける
- 間引きの遅れは根が太らない原因となるため注意する